嶋田剛作品展

「ベースボールカード」は、スター選手が凛々しくカッコよく描かれているものですが、その上にキュビズムのように描かれた顔はどれも優しい。凛々しさと優しさがフワッと絡み合い独特な愛らしい風が吹く。「僕は人が好きなんですわ」とおっしゃる作家の言葉に妙に納得でき嬉しい気持ちになった。

「日本で美術を学んできた影響ですよね。描ききってしまうんです。きちっと描かない中途半端に留めた作品が好きなんですが、どうしても描いちゃうんですよね」と苦笑いされる作家。僕（堀内）も同じく日本で学んだものとして深く共感して苦笑い。「でもね！版画は途中で写真を撮るだけで途中で止めれるんです」とPhotoshopを使った現代的なシルクスクリーンの楽しみ方を教えてくださった。

「これとこれとこれと…一番とかはないですが好きな作品はあります」とご紹介いただいた作品の数々の中からお話に熱が入っていた作品がこれ。
１９５０〜６０年代に活躍されたメジャーリーガーで、監督時代にはユニフォームではなくシルクハットと正装で指揮をとった偉人だそう。

「好きを突き詰めたらどうなるんだろう」と思って、自分の好きを突き詰めている。
絵が好きで高円に入ってきた子どもたちでも、絵を嫌いになっていくことがあるのが残念だそう。
自分の好きを突き詰めて、美術の楽しさを知り、美術を楽しんでほしいと熱く語ってくださった。