ファッションショー「空蛹」

「空蛹」このショーを作り上げた製作者
小林 月さんにインタビューしました。

高円祭ファッションショーのコンセプトは何ですか?
ファッションショ-「空蛹」は「時間の本質」というテーマのもと制作しました。

1年や1時間といった「時間」は人間が作り出した概念的、社会的なものであり本来の自然に存在する「時間」ではなく、時間の本質とは前の状態から次の状態への変化が絶え間なく永遠に続いていく、今が途切れず続いていくことだと考えました。

ファッションショーの服たちは、蛹の背が割れ、そこから出た虫が羽を伸ばすような、細胞が分裂し、また壊れていくような、本のページをめくるような、そんな「状態」から「状態」への変化を切り抜いた瞬間から着想を得ています。
「空蛹」というタイトルはファッションショー内の一部にも引用している源氏物語第三帖「空蝉」を参考に、空っぽになった蛹の前で一匹の虫が成虫として羽を広げて飛び立つ絶え間ない今を表現しました。

「空蛹」は東京芸術大学を受験する際に提出する「若さへの固執」をテーマにしたポートフォリオの一部として制作しています。

インスピレーションをどこから得ているか。影響を受けているものがあれば教えてください。
私は自分の生活すべてから制作への影響を受けていると感じます。
作品を作る上では今回の源氏物語のように古典文学や文学作品からの引用が多い気がしますが、元々のインスピレーション自体は、人との会話の内で出た自分の言葉や相手からの言葉にアイデアを得て作品を思いつくことが多いです。

制作にかかった期間
2023年の5月初旬から着手し、7月から本格的にファッションショーに向けて制作を始め、2ヵ月~2ヶ月半ほど制作しました。作っても作っても終わりが見えず、色々な人に手伝ってもらいながら、なんとか本番に間に合いました。

大変だったところは
ファッションショー当日です。
どれだけ準備しても本番はトラブルがあるものだとは思っていましたが、たくさんの人が関わるイベントは思い通りに行かないことも多く、見通しの甘さを痛感しました。
自分ひとりでは絶対に形になっていなかったので、「空蛹」に関わってくださった全員にお礼が言いたいです。

将来の夢、目標などあれば教えてください
明確な夢はないですが、ファッションショーやライブなど世界観を作り上げるものと人が関わるようなアート作品が好きなので、そのようなものを作り続けていきたいです。

最後に、、、
小林 月さんはデザイナーの枠を超えたもはや1人のアーティストだと感じました。彼女をサポートする周囲に感謝の気持ちを忘れず謙虚でいてかつ信念と情熱をもつ魅力的な人です。彼女の未来に目が離せません。

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